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石川県政に向けて

令和2年度石川県予算に関する要望

2019年12月10日

                      令和元年12月5日

   石川県知事 谷本 正憲 殿

                        未来石川議員会

 令和2年度予算について、当会派として以下の意見を申し上げ、予算編成に十分意図するところが汲み取られるよう要望するものである。

1.はじめに

 我が国の景気は、緩やかに拡大しているが、貿易摩擦の激化により海外経済の不確実性が増す中で、企業の人出不足や消費税率の引き上げによる影響が懸念されるところである。

 また、国においては景気回復の継続等により税収が好調であるものの、人口減少や少子高齢化の急速な進展に直面する中で、増嵩を続ける社会保障関係経費や多大な累積債務を抱え、引き続き厳しい財政運営を余儀なくされている現状にある。

 そのような中、石川県においては、北陸新幹線の県内全線開業に向けて、開業効果を持続発展させてゆくと共に、金沢以西の早期全線整備について、関係府県としっかりと連携してゆかねばならない。

 加えて、相次ぐ風水害といった大規模な自然災害を踏まえた防災・減災対策の強化や、少子化対策や社会減対策など人口減少問題への対応と、医療・介護・福祉の充実、さらには人出不足への対応と農林水産業も含めた産業全体の競争力強化なども大きな課題となっている。

 こうした課題を踏まえ、改定するいしかわ創生総合戦略や長期構想の具体化を図ると共に、来年開催される東京オリンピック・パラリンピック後ら、3年後の新幹線県内全線開業を見据えた積極的な予算編成が求められている。

 このため、我が会派として、以下の通り要望するものである。

2. 主たる個別要望案件

(1)総務関係の施策

1)新たな行政経営プログラムに基づく県財政の健全性維持及び中長期的な健全化対策の実施

2)県立大学の第2期中期目標に基づく取組の推進

(2)危機管理関連の施策

1)志賀原子力発電所の安全確保と防災対策の強化

2)地震や津波、風水害といった自然災害対策の更なる強化

3)白山の登山届の提出義務化の周知徹底等による火山防災対策の強化

(3)企画振興関連の施策

1)改定するいしかわ創生総合戦略を踏まえた石川県の特性を活かした施策の推進

2)北陸新幹線開業効果の持続・発展、全県への波及と金沢以西の整備促進

 ① 金沢・敦賀間の令和4年度末までの確実な開業

 ② 大阪までのフル規格による早期全線整備の実現

 ③ 二次交通対策などによる開業効果の県内全域への波及

3)並行在来線の利用促進と金沢以西区間の開業に向け、利用負担の軽減への対応

4)空港関連の施策

 ① 小松空港のさらなる活性化に向けた国際化の推進や小松羽田便の利用促進、航空貨物の増加対策などの推進 

 ② のと里山空港の安定的な利用促進

5)東京国立美術館工芸館の開館に向けた万全の対応

(4)県民文化スポーツ関連の施策

1)いしかわ文化振興条例に基づく石川の文化の更なる振興と発信

2)東京オリンピック・パラリンピックに向けた文化プログラムの充実

3)新たな県立図書館の整備促進

4)東京オリンピック・パラリンピックを契機としたスポーツの振興

5)競技力の向上

6)性暴力被害者への支援充実

(5)健康福祉関連の施策

1)救命救急医療の充実等による地域医療の充実、ドクターヘリの運用強化

2)新エンゼルプランに対応した少子化対策のさらなる充実強化

3)介護人材の確保対策強化等による高齢者福祉や元気な高齢者の生きがい対策の充実

4)共生社会づくり条例を踏まえた障害者施策の充実

(6)生活環境関連の施策

1)地球温暖化対策の充実、再生エネルギーの導入促進

2)生物文化多様性の推進

3)特殊詐欺被害防止対策の充実

(7)商工労働関係の施策

1)企業の人出不足解消に向けた人材確保や生産性向上等への支援

2)石川県産業成長戦略に基づく県内企業の競争力の強化、きめ細かな金融支援などによる地域経済の活性化

3)ドイツ・CFKバレーとICCの連携などによる炭素繊維府複合材料等の次世代産業の創造

4)本社機能の立地促進など企業誘致による新たな雇用の場の創出

5)金沢港発着クルーズの誘致促進など金沢港の賑わい創出

6)首都圏アンテナショップなどを積極的に活用した石川の情報発信

7)国際工芸サミット開催を契機とした伝統産業の振興と魅力発信

8)ILACによる学生の県内就職、移住定住の促進

9)海外も含めた地元中小企業の販路拡張支援

10)県内企業に対するAI,IOT,RPAの導入に向けての積極的な支援

(8)観光関連の施策

1)新幹線開業効果の持続発展にむけた更なる観光施策の展開

2)東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた海外誘客の展開

3)「白山白川郷ホワイトロード」などを活用した隣県との連携による広域観光の推進

4)介護等での外国人受け入れへの対応

(9)農林水産関連の施策

1)県産品のブランド化や6次産業化の推進、いしかわ農業参入支援ファンドなどを活用した農業法人の誘致など多様な担い手の確保、他産業との連携による収益性の向上など農林水産業の体質強化対策

2)世界農業遺産「能登の里山里海」の保全・活用、国内外の認定地域との連携推進と情報発信、海女文化の継承・振興

3)CSF(豚コレラ)の蔓延防止対策の推進

4)鳥獣被害の防止とジビエに普及推進

5)いしかわ森林環境税を活用した事業の促進

6)他産業と連携した林業経営モデルの活用や木質バイオマスの利用促進などによる林業・木材産業の活性化

(10)土木関連の施策

1)頻発する集中豪雨を踏まえた毛細・減災対策の強化

2)金沢外環状道路、能越自動車道、南加賀道路、加賀海浜産業道路など幹線道路の整備促進

3)鼠多門・鼠多門橋の復元など金沢城公園第三期整備計画の推進

4)生活・社会基盤インフラの老朽化対策の推進

5)のと里山海道の4車線化の促進

6)千里浜海岸をはじめとした海岸浸食対策の推進

7)除雪体制の強化、国道8号線福井県境部4車線化の促進

(11)教育委員会関連の施策

1)子どもたちの確かな学力の育成と研修制度の充実による教員の資質向上

2)教職員の多忙化解消と、教職員定数の改善

3)県立学校における空調設備の整備促進

4)郷土を愛する心や生命を尊重する心、規範意識などを盛り込んだ道徳教材の充実

5)新たな日本遺産認定やユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みの推進

6)政治への関心と基礎知識を身につける主権者教育の推進

(12)警察関係の施策

1)死亡事故を減らすための交通事故防止対策の強化と治安対策の充実

2)高齢者が加害者・被害者にならない交通安全対策の推進

3)特殊詐欺対策の充実