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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第226号 いいことは分かるけど?

金沢市内交通実験

2006年11月20日

私の所属する土木企業委員会で、本年度の金沢市中心部における交通実験の概要説明がありました。

 それによりますと、9月から10月にかけて46日間、兼六園周辺に平日20分間隔、休日は10分間隔で1乗車100円のループバスを運行したそうであります。

 結果は昨年度の2倍の乗車があり、歴史・文化施設の入場半券で無料というのがきいたのか、利用者の4割はその半券で乗車していたそうです。
 
 さらに利用した人へのアンケートによれば、このバスのおかげで、商店街に買い物に行った人が3割、兼六園周辺の滞在時間や訪問施設数が増加した人が2割あったそうです。

 この数字を見る限り、観光施設や地域商店街に対してそれなりの成果があったものと思われます。

 しかし、この実験にどれくらいのコストがかかったのかについては触れられなかったので質しましたら、310万円程かかったとのこと。

 といたしますと、46日間で310万円ですから、単純に計算しますと、通年でこのループバスを運行すると、年間2500万円弱かかるということになります。

 問題は、この2500万円の費用対効果がどうであるかということが肝心なのであって、コストを考えなければ、なるほどいいことに違いありません。

 このことを私が質問しなければ、実験だからといって費用の議論がなされずに実験の成果のみを語って終わりになっていたかも知れません。

 なぜこんな説明が抜けるのだろうかというところに、行政の感覚の一端を垣間見た気がした次第です。

 コストを考えなければ、とっくに金沢市にLRT(次世代型路面電車)が通っているでしょうし、まさにすべての施策がコストで悩んでいることを忘れてはならないと思うものです。

 これからも市民感覚で行政をチェックしていきたいと思っています。