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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第282号 非正規雇用者が3割

驚くべき雇用状況

2008年07月1日

 6月石川県議会定例会も、この26日閉会いたしました。各質疑の中で、気になったのは本県の雇用状況に関してであります。

 ご承知の通り、昨今は派遣労働が一般業務にも規制緩和され、様々な分野で派遣で働いている方がおいでることは承知しておりましたが、その実態をお聞きすると、改めて驚かされます。

 本県では、平成19年度の非正規雇用者数は144,300人となっており、全国の33.5%ほどではないにしても、全雇用者数479,700人中の30.1%になっています。
 3人に一人は非正規雇用ということです。

 終身雇用制が日本の特質であり、最近はそれが見直されているともいわれておりますが、この数字を見る限り、完全に崩れているといっても過言ではありません。

 同時に、厚生労働省の調査によりますと、労働者の平均年収478万円に対し、派遣労働者が292万円、短期労働者が112万円と、大きな所得格差が生じています。

 「ワーキングプア」という言葉が最近よく使われますが、将にこの様な所得では、そうならざるをえないでしょう。

 企業が、国際競争の中で低賃金の国に製造部門をシフトする動きも片方にあり、「人材」というものを単に企業の歯車の一つにしかみないそんな風潮を一層助長したのが、この派遣労働の規制緩和ともいえます。

 そして今、少子化の時代を見越して、外国人労働者への門戸も一層拡大すべきとの議論も起こっています。

 交通・通信手段が発達した今、従来のように閉鎖的に事を済まそうと思っても、物流そのものが国境を越えており、労働市場だけ別枠とはいかないでしょう。

 なればこそ、これからの労働市場のありかた、雇用形態等については、一層広い見地から検証が必要でしょうし、慎重さが求められると思います。

 転職が依然としてマイナスに評価されやすい国柄とすれば、安易に非正規雇用を推進すれば、社会全体の精神構造そのものの変質も迫ってきます。

 しかし、雇用される側にも、やむをえず非正規雇用に甘んじている人ばかりではなく、非正規雇用でいいという現状を肯定する人たちがいるのも事実です。

 そんな色々なことを考えてゆきますと、どんな国にすべきかという国のあり方そのものにまで言及せざるをえない–そんな要素をはらんでいるのが現下の労働環境ともいえるのではないでしょうか。

 みなさんはいかがお考えでしょうか。