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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第390号 これで実態わかりますか?

本県「財政のあらまし」

2011年07月1日

毎年2回、石川県では「財政のあらまし」という冊子を発行し、本県の財政状況を公表しております。

 報道でおきづきになった方もおいでると思いますが、この6月版が発表されますと、報道紙面を飾りましたのは、年度末県債残高(県の借金)が全国4位で、昨年末7位からさらに悪化したということであります。

 一方、基金残高は全国でいいほうから8位で、昨年より1ランク下がったことが示されております。

 勿論、県によって人口にも大きな開きがあり、財政規模も違いますから、それぞれの県の標準財政規模というものを計算し、それとの比較の数字であって、絶対的な額の比較ではありません。
 しかし、一つの目安として、都道府県財政状況を比較する目安としては意義あるものでしょう。

 過日、総務企画委員会でこの説明がありましたが、私は疑問をひとつ提起しておきました。

 それは何かというと、ここでいう基金とは、財政調整基金と減債基金という全都道府県にある標準的なものしか、計算されないことです。
 本県では、この2基金のほかに、県有施設整備基金というものをもっており、その額は、22年度末で392億円余、2基金合計が322億円あまりですので、そっちのほうが多額なんです。

 しかし、これは本県特有の基金ということで、全国比較の対象からはずれるんです。

 しかも、借金から貯金を引いた額の比較なら誰でもわかるのですが、それぞれの数字が個別にランク付けされるわけですから、果たしてそれをもって総合的に理解できるでしょうか。

 たとえば、借金1000万円預金500万円の企業と、借金5000万円預金4500万円の企業の比較をしたらどうなるでしょう。

 民間の感覚であれば、金利分の違いだけですが、行政指標からいうと、大きな違いのある団体としてランク付けされるのです。

 行政に関わっている方はこれが当然かもしれませんが、市民にわかりやすく説明するとするならば、全借金と全預金との差額での比較が一番望ましいと考えるものですが、みなさん如何でありましょうか?