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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第405号 (ヨーロッパ視察からーその4)

アグリツーリズムの原点

2011年12月1日

スイスから空路イタリア・フィレンチェへ、そのあとバスで1時間以上揺られて郊外の農家民宿をやっておられるお宅を訪ねました。

 corte di valleといわれるお宅で、その家のイレーネさんという奥さんから説明を聴取。

 イタリアはグリーンツーリズムの先進地として有名で、特にトスカーナ地方はワインの産地でもあり、そのワインを楽しみながらゆったりと時を過ごすことが大きな魅力になっているようです。

 なぜ、この宿泊施設を考えられたのかとお聞きをすると、やはり本体の農業(ブドウ畑)だけでは、経営が厳しいということだそうで、先々代からの建物が残っていたのでこれを利用して始められたとのこと。

 部屋は普通のホテルと全く遜色なく、調度品や壁に飾ってあるものも所有していたものの再利用が多いようです。

 グリーンツーリズムを始めるに当たり、助成制度等もあるようですが、それを利用しなかったとのこと。お見かけする限り、もともと裕福な農家であるようです。

 従って、イタリアでは人気というか期待されるものとしてプールがありますが、それも最初につくられたそうです。

 あくまでもこの事業での収入が、農家全体の収入の2分の1を超えないという制約があるそうですが、まずまず成功しているようです。

 その他、地産地消の徹底も図られており、それも魅力の一つになっているようですが、基本的には長期滞在型バカンスというものが一般化されている欧州にあること、この地域から都市中心部もそう遠くなく、滞在拠点として都合がいいことなどが、基本的な条件としてあります。

 翻って、本県でも能登を中心に、今グリーンツーリズムというものがようやく定着しつつあり、学校の修学旅行体験の機会としてとかありますが、ゆったりと一箇所に長期滞在するという習慣のない我が国では、本格的に事業としてやってゆけるには、まだまだ課題がありそうです。

 しかし、奥能登が農業遺産として認定を受けた事、「スローライフ」や「スローフード」というものが評価される時代背景というものを考えますと、地の利を活かすといった視点で、本県でも積極的に発信してゆくべき事業ではないかと考えながら、帰路につきました。