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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第747号 刮目すべき発想

人新世の「資本論」

2021年07月10日

 過日、本屋さんに行って、何気なく手に取ったのが、大阪市立大学准教授斎藤幸平氏の書かれた「人新世の資本論」という新書でした。

 「人新世」は「ひとしんせい」と呼ぶそうですが、それは人類が地球を破壊尽くす時代という意味だそうです。

 そのタイトルの目新しさもさることながら、表紙には「気候変動、コロナ禍‥。文明崩壊の危機。唯一の解決策は潤沢な脱成長経済だ。」と謳われていました。

 読みだすと一気に進み、今話題のSDGsの問題点の指摘があり、例えば

 「電気自動車に変えたところで、二酸化炭素排出量はたいして減らない。バッテリーの大型化によって、製造工程で発生する二酸化炭素はますます増えてゆくからだ」といった指摘や

 「先進国の環境改善は、単に技術発展によるものだけではなく、資源採掘やごみ処理など経済発展に付きまとう否定的影響の少なからぬ部分を、グローバル・サウスという外部に押し付けてきた結果に過ぎないからだ。」

 といったコメントから読み取れるのは、先進国の都合あるいは現世代の都合だけで、ものを見てはいけないということでありましょう。

 改めて、もっとより広い視点から、環境問題をとらえる必要性を感じたものでした。

 じつは、この著書2021新書大賞第1位を受賞しているとのこと。

 むべなるかなと思いました。

 皆さんも一度手に取られてはいかがでしょうか。