WEEKLY INSIDE STORY
第469号 6年ぶりの再視察
能登島高農園
2013年09月10日
この6日に、農業研究会の一員として、能登島高農園を再度訪れる機会を得ました。
同じところをなぜということでありますが、初めて訪れたのが2007年11月(259号参照)でありますので、この6年間でどう変わったのか興味をひくところであります。
久しぶりにお会いした高ご夫妻の表情が、まず落ち着いているというか穏やかだなというのが第一印象でした。
6年前に記憶に残っているのが、バイトをしなければならなかったことや、販路をみつける苦労話でありましたが、現在は、21ヘクタールを常時雇用5名で耕作し、能登伝統野菜や西洋野菜などを200種類以上栽培しているとのこと。
耕作地は当時の3倍の面積であり、首都圏のレストラン、デパート等200店舗に販売しているそうです。
なるほど、順調に業績を伸ばしてこられているのが表情に表れているんだなと感じたものです。
しかし、お聞きをすると、販路拡張の過程において、他県との競争の中で、この地域の出荷時期が違うことがうまく生かせた、また多くの方々のご縁やその口コミでお客さんを増やすことができたという謙虚さと、しっかりとしたユーザー視点というものをもっておられる姿勢に関心したものでした。
作れば売れるというものではなくて、どういう作物がどういう時期に、どういう相手先に喜ばれるか、あるいは求められているかということをしっかりと基本にすえる考え方というものが、今までの農業に欠けていた視点ではないでしょうか。
お二人とも、分野は違いますけれども脱サラ前は営業畑でしたので、自然と発想がそうなったんだと思いますが、今日まで、二人とも野菜ソムリエの資格を取得したり、東京での県産食材求評懇談会に積極的に参加されるなど、そのご努力に敬意を表したいと思います。
お二人に続く自立した農業従事者が育つことを期待しつつ、初めてとは違う発見があるという意味で、重ねて視察する意義というものを感じた一日でした。