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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第563号 参議院選挙に想うーその1

制度が活きるか?

2016年06月1日

 参議院議員選挙が迫ってきました。

 衆議院とのダブル選挙は回避され、7月10日投票日が有力となっています。

 衆議院と違い、任期満了での定例的な選挙でありますから、解散における大義名分などは必要ありません。

 今国民がどういう国政の姿を望んでいるのかが、大きな鍵を握っていると思いますが、安保法制なのか、経済対策なのか、はたまた社会保障制度なのか、それぞれに重きを置く課題は違っています。

 しかし、全体としては現政権を信任するか否かが大勢を決する大きな要因でありましょう。

 わたしは、国会議員秘書から数えると40年日本の政治を見てまいりました。挨拶柴田会合

 そこでいえるのは、国会も選挙制度で議員が生まれる以上、その制度に振り回されるということです。

 一例をあげれば、補助金行政が強まっていますから、小選挙区から選ばれた議員は、理論上一人ですから、その地元への予算獲得の窓口としての活動が要求されます。外交や防衛など国の骨幹に関わる案件よりも、地元の道路がどうなるかといったことばかりがテーマとなってしまいます。果たしてそれが地方議員ではなく国会議員の仕事といえるのかどうか、疑問のあるところです。

 私は、選挙制度にベストはないと思っていますが、今の制度が「国民のために」活きることが第一と考えています。

 小選挙区制度は、政権交代可能な国政を目指してできたものであり、何かがあれば政権交代の可能性がないといけません。

 しかし、民主党政権での拙さのイメージが依然として払拭できていない現状があります。

 民主党幹事長として関わった一時期、政権交代しても大きく変わらない、あるいは変えれないという現実を見てまいりました。

 従って、政権交代したらどうなるかという、極めて現実的なビジョンを示すことが野党に求められていると思います。そしてその与野党の差は少なくてもいいと思うものです。

 政治の信頼関係は、完璧性よりもよりベターであるといった謙虚さから生まれるのではないかと感じています。

 今度の選挙もマニュフェストが出ると思いますが、センセーショナル的なものより、安心感を訴えることができるものであればと念願していますが、皆さんはどういう期待をお持ちでしょうか?