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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第095号 地方切捨ての航空業界

規制緩和と羽田枠

2002年08月10日

今、地方空港が大きな壁にぶつかっています。

その一つが明年秋開港予定の能登空港です。

羽田の特定枠として東京への1往復は何とかなりそうですが、複数便の就航は極めて難しい状況になっています。

最初は1往復でも需要が見込まれれば、増便もしてもらえるだろうというのが一般論ですが、そうともいいきれません。

それは、羽田空港の離発着が1日380回という限界にきており、これ以上増やせないという事実が1つ。

もう1つは航空会社がその枠内での採算性から、羽田便を大型機に機種をシフトし、幹線枠に重点化していることです。

能登空港への1往復は需要予測からそもそも小型便(200人乗り以下)であり、空港そのもののハードもそれに対応したものになっています。

従って、需要が増えたから1便増便といっても能登空港本体の体制からも、機種の点からも難しいといわざるをえないのです。

これは、何も能登空港に限ったことではなく、全国の地方空港が直面している大きな課題なのです。

空の足も公共交通という捉え方をすれば、地方への配慮というものが必要になってくるわけですが、規制緩和の時代、国が補助をしてでも地方への足を確保するという発想にとぼしいのが実態です。

従って地方は飛行機を購入してでもという位の思いがある訳ですが、思いのままにならない現実がそこにあるのです。

先般偶然読んだ「規制緩和という悪夢」(内橋克人とグループ2001著)という本の中に、アメリカでの航空業界の規制緩和の結果がなまなましく書いてありましたが、わが国でも決してよそ事ではないと強く感じたものでした。

文春文庫からでていましたが、一度読まれたらいかがでしょうか。