WEEKLY INSIDE STORY
第608号 30年後は?
石川県は何の産地に
2017年09月1日
先週、本県の中央卸売市場でせりが行われ、日本ナシ新品種「加賀しずく」に6個10万円という値がつきました。
高級ぶどう「ルビーロマン」に次ぐブランド商品として期待が寄せられたこの「加賀しずく」は、石川県農林総合センターが16年かけて育成したもので、大きく、みずみずしさと甘さに特徴があります。?
もちろんご祝儀相場であり、平均的には6個の箱が3000円から4000円で取引がなされたようです。翌日にはあるスーパーでは1個580円で販売されており、全て売り切れていました。
今年は約5トンを集荷予定であり、今後毎年生産量を増やしてゆく予定です。
本県の農業が頑張っている一つの表れですが、農林総合センター所長とお話をすると、30年後はどうなるかということを生産者たちと議論しているとのこと。
今の地球温暖化のペースがこのまま進むと、本県の平均気温が上昇し、ここはみかんの産地になるのではないか、逆にりんごの南限といわれていたが、作れなくなるのではないかといった予想をたてているそうです。
今から、みかんの新商品に挑戦しなくてはといわれておりましたが、海水温の変化による魚種の変化と同様、果樹の世界でもこういうことを考えてゆかなくてはならないということに気づかされた次第です。
固定観念を捨て柔軟にモノを観る姿勢がなくては、時代についてゆけなくなるかもしれない一事象でありました。