WEEKLY INSIDE STORY
第180号 ×印見ましたか?
小松空港仮滑走路存続の方向へ
2005年07月20日
皆さんご存知でしょうか。飛行場は滑走路の厚みによって、重量制限がかかっています。小松空港は今日までその制限によって、欧米直行便も不可能でありましたし、カーゴルクス貨物便も千歳空港で一回中継しないといけなかったという事実があります。
そこで、かねてよりこの滑走路の嵩上げを要望してきており、平成13年から明年度までの工期で今事業が進んでいます。
現状の滑走路を休止するわけにはいきませんので、隣接地に仮滑走路をつくり、そこで代用している間に本滑走路を嵩上げするという手法がとられています。
現在その仮滑走路を使用していますが、本滑走路が完成した暁には、この仮滑走路が撤去されることになっていました。
しかし、仮滑走路といっても、その基準はLA1というレベルの厚いものですし、その掛かった経費は調査設計費を含めて40億円あまりもかかっているのです。
せっかくのものをどうして撤去しなければならないのかといいますと、現滑走路と仮滑走路との距離が中心線で100メートルほどしか離れていないので、法律上両滑走路を兼用するというわけにはいかないこと。
第二には、着陸時に誤認する可能性があることが理由でありました。
しかし、存続させておけば、非常時に役立つのではないか、また次回の滑走路修繕の時に利用できるのではないかなど、メリットも考えられるので、何とか存続すべきと主張してきましたが、その方向に進みそうであります。
撤去するにもコストがかかるわけですから、公共事業のムダがひとつ改善された想いです。
ちなみに、現在現滑走路の上には、上空から分かるように大きな×印がいくつもついています。
これが誤認しないための方法で、本滑走路完成の時には仮滑走路にこの×印がつくのかもしれません。
なんとなく初歩的な手法でおかしくなってしまう気もしますが、次回搭乗したおりには是非眺めて見たいと思っています。
皆さんはこの×印気がつかれましたか。一度気をつけて眺めて見るもの感慨深いのではないでしょうか。