WEEKLY INSIDE STORY
第225号 原発推進を全会一致で決議!
国際原子力機関総会
2006年11月10日
私のところに、不定期ではありますが、「原子力報道を考える会」からお便りをいただきます。
元マスコミの方や元大学教授の方々が実名で書かれたもので、今日の原発に関する報道姿勢に疑問をもち、反原発でもなく、推進でもない立場からコメントをだされております。
大変興味深く、いつも考えさせられます。
今回頂いたものは、国際原子力機関(IAEA)の年次総会で、50年の歴史で初めて、原発推進を盛り込んだ決議を全会一致で採択されたというものでした。
IAEAは現在141ヶ国が加盟しており、原子力の平和的利用から軍事的利用に転用されることを防止することを目的に、国連で提唱され、1957年発足した機関です。
しかし、欧州を中心に脱原発ということがずっと言われ続けてきておりましたから、これは本当にビッグニュースのはずであります。
事実アメリカでも20基以上の新設計画が発表され、新たにポーランドやトルコ、ベトナムなどが原子力発電を導入しようとしているとのことです。
原因はどこにあるかというと、昨今の原油高が今後も避けられないであろうという予測と地球温暖化に対する原子力発電の優位性が改めて認識されつつあるということでありましょう。
本県においても今、北陸電力の志賀原発が検査等で稼動を中止しており、その間石炭火力のウエイトを増やさざるをえず、そのコスト高とCO2排出は課題です。
今一度世界情勢を見渡して、冷静に原子力発電というものを検証する必要性があるのではないかと思いますし、珠洲原発問題で長い間振り回されてきた本県の過去を振り返りますと、時代の趨勢が変化することがわかっていたならどうなっていたのかなどと考えてしまいます。
ともあれ、残念なことにはネットで調べても原発のトラブル案件の報道の大きさに較べ、今回の総会決議の記事を探すことは大変です。
「原子力報道を考える会」の皆さんは、記者の不勉強や職務怠慢と述べておられますが、本当のところこの偏りの原因はどこにあるんでしょうかね。
皆さんはこの総会決議ご存知でしたか?