WEEKLY INSIDE STORY
第233号 私権制限に問題は?
都市計画道路の廃止から
2007年02月1日
過日、私の所属する土木企業委員会で、都市計画審議会における金沢市内の都市計画道路の変更・廃止の説明がありました。
例えば、全線廃止となる堀川瓢箪町線は昭和40年に決定されたもの。一部区間廃止となる本町泉本町線に至っては昭和5年に都市計画決定されたものです。
まさに76年前に決定されたものが、いま日の目を見ず、廃止されようとしているのです。
地元説明等がしっかりなされているかとの問いに、金沢市の方で対応しているとの答えが返ってきましたが、常々思いますのは、都市計画道路の線引きがされたときに、私権に制限がかかることです。
都市計画道路区域内に私有地を持っておられる方は構築物に制限がかかり、鉄筋コンクリート造(RC)の建物はたてられません。
しかし、RC構造物の一般的な寿命を60年ぐらいとすれば、76年経っても道路がつかなければ、当初RCのものを建てても何も問題はなかったわけです。しかも、今回はその道路が時代の変化から作らなくなったわけですから、その線引きされた区域に地面を持っておられた方からすれば、何のための制限であったのかと疑問をもたざるをえないと思うものです。
金沢市は非戦災都市で、まだまだ都市計画道路の整備計画があります。片やかってのように道路整備予算が潤沢にあることもありません。
従って今後もこのような事例はまだまだ起こる可能性があります。
経済のスピードは早く、20年や30年で償却してしまうような設備もあり、もしそれ位の年数で解体する約束ができれば、RCを認めるといった柔軟性があってもいいのではないかと思います。
その前提としては、都市計画道路の優先順位を明確にする必要性がありますが、そのことも含め、実態に合った道路行政のあり方というものが、今求められているのではないでしょうか。
地権者の方々がどういうお気持ちなのか一度お聞きしたいものだと感じています。
皆さまの周りにも、このような事例がきっとあるのではないでしょうか。