WEEKLY INSIDE STORY
第281号 北陸新幹線現状と課題
建設促進大会に参加して
2008年06月20日
この6月12日、東京にて恒例となりました、北陸新幹線建設促進大会ならびに建設促進同盟会総会に日帰りで、出席してまいりました。
当日は建設促進議員連盟の森会長、長勢議員の現状報告などがあり、各県知事が要請をしてまいったわけですが、一度北陸新幹線について整理をしてみたいと思います。
そもそもは、東海道新幹線の代替路線としての国家プロジェクトとしてスタートしましたが、昭和47年に基本計画が決定されてもう36年経過しています。
この間、景気の変動など様々な要因に振り回され、地元負担の新設、平行在来線の3セク化など、地元にとっては新たな負担も増えてきています。
本来国家プロジェクトであったものが、陳情行政の一環に成り下がっていることは、まずもって残念といわざるをえません。
さて、一時期スーパー特急で認可されましたが、それではコストをかけた割りに時間短縮がはかれないということで、現在は金沢まで全線フル規格で認可がおりています。
完成の暁には金沢・東京間が2時間22分でつながることになっています。
そこで、現在の課題でありますが、長野県の方で知事交代に伴って地元用地交渉が開始でき、98%の買収は終わったとの報告がありました。
線路はつながらなくては意味がないわけでして、東京からのとば口にようやく目途が立ったということがいえます。
福井への延伸ということでは、平成17年に福井駅部の認可がおり、すでに着工しておりますので、そこまでの担保は取れているということですが、それがいつつなげれるかが一つの課題です。
金沢までの開業が2014年ということになっていますが、その平行在来線をどうするか、地元事情が各県ごとに違いますので、その扱いはまさにこれからです。その中で、経営分離がうたわれていたにもかかわらず、昨年12月九州新幹線で、JR九州が20年間平行在来線を引き受けるという合意がなされました。このことが、北陸での対応に新たな選択肢を与えるのか、不透明感を増しています。
敦賀から以西は路線すらまだ未確定であり、滋賀県では新駅反対の知事となり、全く先は見えません。そんな中、大阪止まりではなく関西国際空港まで延伸することによって、北陸新幹線のメリットがより享受できるのではというアイデアもでているそうです。
ともあれ、時間短縮の効果をどう発揮させてゆくか、地域の魅力をどう創出してゆくかなど、本県にとっては2014年にむけ、様々な検討がなされています。
新幹線の効果を地域に最大限活かしてゆく事が、現下の最大の課題といってもいいのではないでしょうか。
あと心配するのは、財源の問題などによって、従来と同様に政治状況などに振り回されることがないかということで、もうそろそろ安心して完成を待ちたいというのが共通の願いといったところでしょうか。