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WEEKLY INSIDE STORY

第316号 国の景気対策に呼応して

県補正予算から見えるもの

2009年06月10日

 国の景気対策のための補正予算の追加に伴い、本県においても6月補正予算が組まれました。

 この9日知事から内示がありましたが、そこから見えてくるものがあります。

 総額227億1,836万円の計上ですが、このような大型補正は平成12年12月以来、9年ぶりです。

 投資的経費に至っては、157億4,017万円、前年比11.9%の伸び。うち県単独事業だけを見ますと22.7%増と、平成3年以来18年ぶりの大きな伸び率です。

 この数字だけを見ますと、まさに大判振る舞いといった観が否めません。

 そして、この伸びを可能にしたのは、平成16年の一方的地方交付税の削減で地方が疲弊している中、「地域活性化・公共投資臨時交付金」というものを創設し、地方の負担すべき額の9割相当を後で国が補填するという、いわば国の丸抱えに近い形で、事業が行えることからです。

 地方にとってはありがたい話でありますが、その原資のかなりの部分が結局、地方債ではなくて国債であるというだけで、いつかは我々に返ってきます。

 つい先ごろまで財政の規律であったり、財政の再建が声高に言われ、地方の交付税すら削減されていたことからすれば、将に180度転換といった感じです。

 この変わりようを見ていますと、選挙が近いこと、更には、与党の選挙への不安感を如実に物語っているともいえるのではないでしょうか。

 うがった見方をすれば、政権交代をしても次の政権は財政再建の役割しか担えないようにしてしまえという無責任な策略ともとれます。

 よくいわれました、「国の埋蔵金」もはたしていつまであるのやら・・・・

 今は、景気対策がすべての価値観の中で最優先され、財政のバランスなんてことを言ってもかき消されそうであります。

 この予算を享受するのも国民なら、そのつけを払うのも国民だということを、我々自身が自覚すると同時に、国会議員もしっかりと認識してほしいと願ってやみません。