WEEKLY INSIDE STORY
第331号 世界自然遺産を訪れて—その2
ドライな発想か?中国の施策
2009年11月10日
引き続き、自然遺産についてお話します。
今般訪れた張家界では、天子山自然保護区の山頂の散策する箇所まで326メートルのエレベーターが設置されておりました。
まさに、自然保護区の中の岸壁に張り付くようにして設置されたエレベーターは、設置にあって議論があったそうですが、利便性優先ということでつくられたとのこと。
総面積264平方キロの全体区域からすれば、ほんの一部ということになるのかもしれませんが、よその地域では、設置が許可されたであろうかと考えさせられました。
また、石の文化というか、遊歩道は殆どが石組みで作られておりましたが、当然動物の進路を妨げます。
オーストラリアでの高床木造による遊歩道とは、生態系に対する配慮の違いを垣間見た想いでした。
しかし、散策中みたのは猿だけで、鳥の鳴き声も殆ど聞きません。
岩肌の山岳地帯だからそうなのかもしれませんが、もともと動物にはあまり縁のない地区なのかもしれません。
自然遺産というにはちょっと寂しい思いでもあります。
しかし、その遊歩道の清掃は徹底しておりまして、ゴミ箱もあちこちに分別式で配置してあります。
自然遺産を見せるプライドみたいなものかもしれません。
が、ゴミ箱の裏側は蓋もなく、結局清掃にこられていた方が、そのゴミの中から見えないところに放り投げている姿を見るにつけ、最後の詰めというか、清潔感に対する感覚の違いというものも感じたものです。
中国から訪日される方が異口同音にいわれますのが、日本の綺麗さということですが、教育の差かどうかわかりませんが、細かいところまでの気配りという点では、間違いなく日本が一歩も二歩もリードしているということがいえるのではないでしょうか。