WEEKLY INSIDE STORY
第350号 元気な林業・木材産業を見て
森林・林業・林産物活性化議連視察から
2010年05月20日
この11日から1泊で、森林・林業・林産業活性化推進石川県議会議員連盟の視察で、長野県に行ってまいりました。
わが国の林業は、外材の輸入とコスト高によって、大変厳しい経営を迫られており、公社造林といわれる委託による林業においても、切っても採算に合わないという状態がずっと続いています。
したがって、本来なすべき間伐がなされなかったりして、山の崩壊にもつながっているのが、わが国の実態です。
そんな中、お訪ねした北信木材生産センター協同組合というところでは、発足から10年で、事業量を倍以上にするという右肩上がりの森林整備を行っておりました。
そこの高野参与からお話をお聞きすると、高性能林業機械を22台も所有しているとのこと。
話の端々から伝わってまいりますのは、たとえばこの高性能機械を年間何日稼動すれば採算があうか。
そのためには、その機械を現地に長く設置する必要があり、施業面積拡大のため団地化を図ったなど、徹底したコスト意識をもった林業戦略でありました。
その自信に満ちた話しぶりを拝見しながら、総じて第1次産業は補助金づけで採算を度外視しているきらいのある中、こんな生き方もあるんだという大きな刺激を受けました。
また、斉藤木材工業さんでは、H鋼を挟み込んだ集成木材で3階建て以上の高層建築物に木造で挑戦するんだという意気込みも聞かせていただきました。
景気が厳しい中、日々元気がない会話ばかりを聞かされておりますが、このような企業の取り組みを見ることは、何にもまして元気をもらいます。
何とか、多くの皆さんにも前向きな姿勢で頑張っていただけるよう、この経験や想いを伝えていけたらと思いながら帰途についた次第です。