WEEKLY INSIDE STORY
第351号 いしかわ動物園とき飼育を見て
「日本」が2つの石川県
2010年06月1日
過日、厚生環境委員会の視察で、本年よりスタートした「いしかわ動物園」の「とき分散飼育」の実態を見てまいりました。
本県が誘致に手を挙げた理由のひとつは、かって多く見られたときが激減し、1952年に国の特別天然記念物に指定された以降、本州で最後まで生き残っていたのが、能登半島で捕獲されたとき「能里」であったことがあげられます。
議会では、その受け入れ施設のために億の税金を突っ込んでまですべきことなのかといった一部議論もありました。
また、臆病な鳥なので、せっかく誘致しても一般開放されず、モニターでしか見れないということもいかがなものかというような議論があったのも事実であります。
しかし、佐渡から移送されたときのペアが順調に生育し、今般雛がかえり、モニターを通してでもその姿は可愛いものです。
人工繁殖のみならず、自然繁殖にも現在挑戦しており、将来能登の空にときが舞うそんな時がいつかは実現するのかもしれません。
もちろん、現実問題としてはときが生息できる環境整備もしなくてはいけませんから、決して簡単なことではありません。
とにかく、せっかく誘致したときでありますから、多くの子供たちに夢を与えるようなものになってほしいと思いますし、この施設がいしかわ動物園への誘客の一助になってくれればと願ってやみません。
ところで、ときの学名は「Nipponia nippon」ですし、英語で漆塗りのことを「JAPAN」ということから、輪島塗を「JAPAN」と海外向けに発信することもあります。
本県に「日本」を呼称するものが二つもあるというのは何となく嬉しいことではありませんか。
海外誘客の中で、こんなことももっとPRしていければと感じて、視察から戻ってまいりました。