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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第358号 ゼロベースから見直すと

自治体議会改革シンポジウムから

2010年08月10日

この2日に、大阪で開かれました「全国自治体議会改革シンポジウム」にいってまいりました。
 パネリストとして橋下大阪府知事などが出席され、会場との意見交換などもあり、大変いい刺激を受けて帰ってまいりました。

 特に印象深かったのは、橋下知事が、議会内閣制のもと、議会に予算編成権を移してもいいとの主張をされたことです。
 知事は執行に特化してもいいし、選挙で選ばれた議員が執行部に対してただ予算をつけろということだけをいうのではなくて、予算全体を見渡した中で予算に責任をもつために、予算編成に関わるべきだという論理です。
 大阪府政において、税の値上げも状況においては訴えなければならない厳しさを体験した知事ならではのコメントであります。

 私はかねがね、今の日本の政治システムをゼロベースで見直すと、まだまだ改革の余地があると思ってまいりました。
 例えば、国・県・市町村が上下関係で結ばれている制度を変えることや、国の会計年度を1月から12月に変えること、更には地方税が国税に換わって税の再配分を担うことが可能であることなど、我々が当たり前のように受け止めているその発想自体を見直す中に、政治の新しい展開があると感じておりました。

 そういう意味では橋下知事の主張は、市民感覚で政治に関わったときに感じる極めて純粋な想いであろうと共感するとともに、そこまで想いが至らなかったところに、議会に長くいて気がつかなかった至らなさも感じた次第です。

 もちろん、理念的であり、本県議会を見渡したときに、それをこなせるかというのは、現実問題として極めて疑問符をつけざるをえませんが、傾聴に値する主張でありました。

 ただ、あるコメンテーターの方から「地方議会において、今日この会場に来ておられる方は政治改革に意欲のある方ばかりでしょうが、このような議論を一番聞いてほしい議場最後列の方(長老議員のことを指しています)は来ていないでしょうね・・・」という皮肉を言われたときには、会場で思わず失笑が漏れていました。

 どういう組織であれ、それぞれの意欲には大きな開きがあって、改革というのは生易しいものではないということをいいえて妙でありました。