WEEKLY INSIDE STORY
第453号 能登有料道路無料化について
新たな課題は?
2013年04月1日
この3月31日から、石川県管理の能登有料道路が無料化になりました。
能登・加賀格差是正の象徴的なものがようやく一つ無くなるのです。
そもそも、半島を抱え南北に長い本県にとって、奥能登への2時間構想のためにはどうしても、能登への高規格道路が必要であったわけですが、これを一般道路として建設すれば、国の補助金行政の兼ね合いから長期間を要しないとできなかったわけです。
しかし、有料道路とすることによって起債し、12年で2車線供用することができました。
一時、高速道路の無料化ということが叫ばれたことがりましたが、この有料であることが、能登への流入人口の妨げとなってきたのは事実でありますから、企業誘致等も含めて能登へは大きなプラスになるものと期待されています。
しかし、どういう施策であれプラスのみということはありません。
これによって、例えば買い物の圏域が広がり、能登の商圏が金沢に吸い寄せられる心配はないのか、こんなことも危惧されます。
また今までは目的地までまっしぐらであったものが、途中好きなところで乗降する可能性について検討すれば、沿線での地域おこしに、この無料化をどう活かすかということも大きな課題となってくるのではないかと考えます。
従来以上に、沿線地域が地元の特徴を活かした活性化策を講ずることが必要でありましょう。
県としては年間10億円ほどの維持費がかかってきており、それを有料道路料金でカバーしてきたわけですが、それがなくなり、今後は一般財源で賄わなくてはいけなくなります。
財政厳しき折、大変なことですが、そのマイナスを差し引いても余りある地域への経済波及効果があれば、それはそれで大きな役割を果たしたということになるのではと考えています。
無料化初日に、利用してまいりまいりましたが、駐車場の見つからないインターや込み合う追い越し車線など、やはり一気に流入車両が増えたことを実感できました。
これを契機に能登への一層の交流人口の拡大を期待したいものです。