WEEKLY INSIDE STORY
第459号 世界農業遺産国際会議が能登で
歴史と継承
2013年06月1日
5月末から3日間、石川県能登で、世界農業遺産国際会議が開催されました。
先進国で唯一、佐渡と共に世界農業遺産に認定された能登での開催ということは、認定地域で開催されたというそれ自体の意義のみならず、
①世界から能登に集まっていただくことによって地域のPRになる。
②地域にとっても、自らの地域を再認識するいい機会になる。
といった単なる学会誘致以上の大きな効果が期待されます。
私もハイレベルセッションに参加してまいりましたが、2011年12月に本県で開催された「生物多様性10年のキックオフイベント(第407号参照)と連動した、地球全体を考える一つのイベントと感じました。
同時に、人口減少が加速する能登の、今後の歩むべき道といったものを示唆する会議でもあったと思っています。
そこでは、他国での農業遺産指定地域の農業等の現状と共に、本県能登での棚田米運動や伝統的手法での塩田等の取り組みが発表されました。
それらが環境との調和の中で歴史を重ねていることの意義と、なればこそ現代において意識をして守ってゆかねばならないということが強調されました。
受粉のためのミツバチの減少など、知らない間に我々が農薬等便利さに走る余り、環境を破壊してしてきていることが一例として挙げられましたが、普段日々の出来事ばかりに忙殺されている意識を覚醒させてくれる機会でもありました。
ただ、能登で実際に農業等で生活をしておられる方よりも、役所関係の方ばかりが会場で目立ったのはちょっと残念なことではありました。