石川県政に向けて
平成19年度石川県予算についての要望
2007年01月25日
平成19年1月25日
石川県知事 谷本 正憲 殿
平成19年度石川県予算についての要望
新進石川議員会
平成19年度予算編成期にあたり、当会派として以下の意見を申し上げ、当該予算の策定に十分意図するところが汲み取られるよう要望する。
1. はじめに
景気の回復基調がいざなぎ景気を超えたといっても地方にとっては実感の乏しい中で、平成19年を迎えた。
三位一体改革第二ラウンドを前に、官製談合等の問題で地方は揺れており、分権の声も声高に主張できない恐れもある。
しかし、分権は長年の懸案であり、谷本知事には全国知事会副会長として、先頭に立っての尚一層の活躍が期待されている。
一方経済至上主義の中で格差が広がったといわれており、本県にあっては、戦後初めて人口減少県に仲間入りし、地域の活力を維持してゆくことが大きな命題となっている。
幸い、㈱コマツの金沢港進出、小松―台湾間の航空定期便の可能性など明るい材料もあり、それらを契機にして、今後の都市間競争に打ち勝ってゆかなくてはいけない。
片や団塊の世代の大量退職を前に退職手当債の発行など、県税の伸びがあるとしても財政運営にはより厳しさも要求される。
よって、明年度予算の策定にあたっては、本県の抱えるこのような実情を充分斟酌し、引き続き県民の期待に応える予算配分がされるよう要望する。
2. 主たる個別案件
(1) 長期構想の改定にあたっては、本県の特性をより高める中で差別化戦略を行い、地域間競争に打ち勝つ石川県を創造
するという視点で行うこと。
(2) 北陸新幹線の早期開業を確実にするため、地元用地買収等に遺漏なきよう対応をすることと、在来線対策に万全を期すこと。
(3) 海外誘客3倍増構想を実現するためにも、小松―台湾定期便の実現や、小松―上海、小松―ソウル便の一層の充実、更には欧米チャーター便の創出など、様々な方策を講じること。
(4) 金沢港の大水深岸壁の早期実現と、そのインフラを活かした新航路開設やフェリー誘致など港湾振興対策。
(5) 北陸新幹線の開業を控え、ストロー現象をおこさないよう、地域の魅力アップのための施策の構築・展開。
(6) 県庁跡地問題や、金大工学部跡地問題更には中心市街地の活性化など、関係市町との連携がより必要な案件が山積しており、従来以上に市町との協調・協力関係を構築してゆくこと。
(7) 電子県庁の本格化にあたっては、費用対効果をしっかりと検証し、ユーザー本位のシステムとなるようにすること。
(8) 市町村合併から1-2年を経過し、その成果が上がるよう、市町村建設計画への支援など、第2段階に向けた県としての指導や支援を行ってゆくこと。
(9) 介護保険や障害者自立支援法など新制度に対する県民の不安などを解消するため、県自らできることを考慮すると共に、実態を掌握し国に積極的に働きかけること。
(10) こども総合条例の策定にあたっては真に少子化に歯止めがかかるよう、多面的に、より具体的に施策を盛り込んでゆくこと。
(11) 南北に長く半島を抱えた本県の実態に即した医療体制を整えると共に、医師・看護師不足対策に万全を期すこと。
(12) 地球環境問題の影響を多面的に研究し、保健衛生、防災など、それぞれの分野で県民の安全・安心を確保する諸施策を講じてゆくこと。
(13) ゼロ・エミッション計画を具現化してゆくため、より一層のリサイクル推進と合わせて、公共関与が期待される廃棄物対策にも積極的に関わってゆくこと。
(14) ㈱コマツの金沢港進出を契機に、関連企業の誘致など本県への産業集積を更に進めると共にそれに伴う関係道路等の整備
(15) 景況感に大きな較差がある実態を掌握し、構造的に厳しい業界へのきめ細かな対応を図ってゆくこと。
(16) 団塊の世代の大量退職を目前に、警察も含めた県政運営に支障がでないよう、柔軟な職員雇用対策を講ずること。
(17) フリーター・ニート対策として、教育現場からの積極的な施策を展開してゆくこと。
(18) 品目横断的経営安定対策に変化した農政に対応し、より一層担い手の育成や、農地集約を進めること。
(19) 森林環境税の導入にあたって、その意義や成果を県民に周知徹底すること。
(20) 金沢競馬の存続に向け、あらゆる知恵を集めながら3年間での黒字化を目指すこと。
(21)1 公共事業の必要性に鑑み、適切なる量の確保と、入札制度の改善等を含め地域実情に充分配慮すること。
(22) いじめなど教育を取り巻く環境の変化に的確に対応できる教職員の養成のため、研修の充実など教員の質的向上を図ること。
(23) 警察本部は学校・地域・家庭等との連携をより密にして、少年犯罪やDVの未然防止に努めること。