視察報告
ブラジルを訪れて
2008年08月20日
去年8月、石川県スポーツ少年団サッカー連盟の顧問として、石川県選抜の少年サッカーチームと共にブラジルを訪れる機会をえたが、はからずも10月には今度はブラジル石川県人会創立60周年記念慶祝団の一員として、またかの地を訪問することになった。
ニューヨークあるいはロサンゼルスのトランジットを含めて24時間余りの航路である。南へ行くほど寒くなるというまさに地球の裏側である。
現地では共に石川県人会の方々に格別のご配慮を頂き、ブラジルの雰囲気というものをつかの間であるが実感することができた。
現地では多民族が入り交じって生活しており、それぞれが自分のペースでなりわいを行っている。従って、車窓から眺めても統一的な街の佇まいといったものはなく、それぞれの住宅が単独の個性を持ち、ヨーロッパのような都市全体としての品格といったものは見つけにくい。
街のビル壁の落書きだけがいやに印象的である。
さて、小学校6年生を中心にした少年サッカーチームにとって、まさかサッカーの本場ブラジルで試合ができるなんてことは予想さえできなかったことであろう。しかし、前年金沢市が姉妹都市ポートアレグレから姉妹都市提携25周年記念事業として少年サッカーチームを招聘した経緯もあり、その返礼と、県人会60周年事業の一環といった視点の中で多くの方々のご協力をえて実現の運びになったのである。
現地では4試合を行い2勝2敗の結果であった。
特に最後の試合に至っては雷のなるような大雨の中で行われ、ボールが思うようにコントロールできない状態であったが、後半になるとそれも自然にマスターしてゆく。また、言葉は通じなくてもいつのまにやら現地の子供たちと打ち解けて、レストランでは床にはいつくばって腕相撲を始めた。子供たちの柔軟性に驚くと共に、このような小さい頃から外国人の人達と交流することがいかに意義深いものかということを実感した次第である。
これからも子供たちのお世話はできるかぎりしてあげたいと思うものである。
さて、県人会の方々また2世3世の方々との懇談の機会をえ、日本への留学した経験や、県人活動の実態などをお聞きした。
県人会館には石川文庫も創立されており、本県から毎年蔵書を寄付しているが、石川県の情報に関する本はポルトガル語で書かれたものが欲しいとのこと。間違いなく時代が変わってきていることを膚で感じる。
しかし、本県へ留学や研修の機会を得た2世3世の方々が、間違いなくこれから石川県とブラジルとの交流の橋渡し役として活躍していただける大事な人材であることは確信できる。
日本語をしゃべれる人は減ってきているが、彼らとの交流はこれからも確実に続けていかなくてはならないと思ったものである。
|
|
|
|
|
|
ブラジルの球場にて子供達と一緒に |
|
|
|
ブラジルの少年達と練習試合 |