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日本政治の実像と虚像

HOMEWEEKLY INSIDE STORY第033号 (ヨーロッパ視察から-その2)

WEEKLY INSIDE STORY

第033号 (ヨーロッパ視察から-その2)

ストラスブールのトラムをみて

2000年11月20日


今、新交通システムの導入にあたり、先ず参考にされるのが、フランス西部のストラスブール市のこのトラムです。

今回視察の機会に恵まれ、試乗するとともに、現地で実情を伺うことができました。

この路面電車を導入するに当たり、市内中心部に歩行者中心のスペースをかなり設け、自動車の乗り入れ規制が、かなり大胆におこなわれていました。

その見返りとして、この公共交通機関があるわけですから、如何に市民に利用されるかが大きな鍵といえます。

そこが我々がもっとも関心のあるところです。

さて、運行ペースですが、我々が乗った路線は約7分に1本の頻度でした。

なるほどこれくらい頻繁に走っていてくれたら便利である事はいうまでもありません。

トランジットモールといわれるところでは、それより遠方に行くためのバスとの連結がきちっとされ、パークアンドライドのための駐車場も市内8ヶ所で4230台分確保されておりました。

特に注目されるのは、この駐車場の利用料金が、市街地での駐車1時間程度の料金に押さえられていて、なお且つ搭乗者全員の都心までの往復切符が無料であたるという事でした。

この、低料金と運行頻度の高さなら、なるほどと納得できます。

しかし、遠方へのバス運行や駐車場の原価償却などを考えますと、毎年大きな赤字があり、それをカバーしているのがフランスでの交通税でした。

これは、9人以上の雇用者がいる企業がサラリー合計の1.75%を毎年納めるものです。

金沢市でも、新交通システム導入が課題ですが、このような財源的な裏付けと市民のコンセンサスがなくては、まさに絵に描いた餅になってしまいます。

どんな政策課題であろうとも、表面だけ見るのではなく、総合的に判断しなくてはいけない1つの例ではないかと感じたものです。


ストラスブール市内のトラム