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WEEKLY INSIDE STORY

第178号 公共事業はどこまで削減されるのか

平成19年までに全国平均に

2005年07月1日

今、国地方を挙げて財政再建というものが叫ばれ、本県においても経費削減の一環として、公共事業のコスト縮減がいわれています。
 特に本県は、近年コンサートホール、新県庁舎、能登空港、小松連続立体交差事業など、ビッグプロジェクトがあいつぎ、県債残高が急増しており、それが将来の財政硬直化の原因になることから、結果急速に縮小せざるを得なくなっています。

 しかし、公共事業の分野は裾野がひろく、関連する企業は、この削減によって大きく疲弊しているのも事実です。
 皆さん財政状況を理解しつつも、一体どこまで削減されてゆくのか、歯止めがはっきりしないばかりに不安を抱えています。

(単位:千円、%)
H13 H14 H15
一般会計当初予算 684,098,000 573,207,000 611,539,000
標準財政規模 A 291,562,429 282,069,832 262,226,119
普通建設事業費 B 261,317,057 231,339,212 181,825,316
B/A 89.6 82.0 69.3
全国平均 50.0 47.8 45.2
全国順位 2位 2位 8位

しかし、過日の総務企画委員会にて、新行財政改革大綱の中で、その投資的経費の抑制目標が、「平成19年度までに標準財政規模に対する普通建設事業費の割合を全国平均まで」というという指針が示されました。

 右記の表を見ていただくとお分かりのように、依然として本県の投資的経費は全国8位と高い水準になっています。
 全国平均の数字がこのまま下がらないとしてもそれにあわしてゆくには、24.1%削減しなくてはいけないことになります。
 この数字は平成15年度事業費でいうと、633億円ほどの開きになりますから、4年間で割ると、毎年158億円ぐらいずつ公共事業は削減されてゆくという数字になります。

 委員会において、目標はわかったけれども、そもそも公共事業が悪ということではありませんし、景気への影響を十分勘案しながら、急な変化にならないよう柔軟に対応すべきと要請しておきました。
 目安ができたということは、いい事と思いますが、削減されるのは事実であり、業界にとって厳しいことにかわりはありません。
 何とかこの実態を年頭におきながらそれぞれの企業が、頑張ってゆかれることを期待してやみません。

標準財政規模とは 地方自治体の財政規模を比較するには、国庫補助金や地方債など特定の財源が含まれているため、単純に比較しにくいのが、実情です。そこで、特定財源を控除し、地方税や普通交付税など、通常経常的に入るであろう一般財源の額で比較するのが適当となります。その指標を標準財政規模といいます。従って、時の予算と標準財政規模は大きく違っていることが、上記表からもお分かりいただけるのではないかと思います。