WEEKLY INSIDE STORY

第205号 306億円のグラウンドゴルフ場？

金沢外環状海側幹線

過日、金沢市で長年の懸案であった「金沢外環状道路山側幹線」が全線供用されました。
　これによって都心を通過していた車がかなり環状道路に流れ、都心部の渋滞緩和につながることが期待されています。

　同時に、沿線に新しい商圏も生まれつつあります。

　祝賀会では、国土交通省事務次官が､地方都市では全国に先駆けて全線開通したと述べておられました。大変喜ばしいことですが、次は海側幹線をしっかりやらなくてはとのことです。

　ところで、海側環状は60メートルの幅員中､真中30メートルが高架の高規格道路として予定されており､現在はその側道部分の一部が完成しているだけであります。

　ところが、高規格部分は幅員の中央部に位置していることから着工年度も未定ですが、側道部分に合わせ、そこも先行買収しなければならないということで、その買収額は､既に買収済みの200億円プラス106億円とのことです。

　しかし、人口減少時代の到来、また国道8号線のバイパス機能としての山側幹線の開通等を考慮いたしますと、この側道部分はさておき、中央の高規格道路が何時ごろ着工できるのかということに、かなりの心配をしています。

　若し、それが仮に20年後とすれば、それまでこの高規格部分の買収費306億円は活かされずに寝てしまうことになります。

　しかも、この部分は側道にはさまれた区域でありますから、暫定利用が極めて難しいところでもあります。

　過日の委員会でも暫定利用するとしてもグラウンドゴルフ場にしかならないのではと述べたところでありますが、事実一部そのように利用されつつあります。

　いくら先行買収が必要といっても、当分の間は、一方の側道を暫定的に片側に寄せて､半分の地面だけ買収することで済ますとかといったそんな智恵はないのかとただしたところでもあります。

　これは実際そこを通られた経験のある方しか､実感が伴なわないかもしれませんが、皆さんどう思われるでしょうか？

　北陸新幹線のまだら着工の問題提起をかってしましたが（2000年12月10日付け第35号参照）、これもまた同じ課題と私は感じているのですが・・・・