WEEKLY INSIDE STORY
第222号 久しぶりのいい言葉
オシム語録
2006年10月10日
昔に較べると本を読まなくなりましたが、それでも時に感動する本に巡り会うことがあります。
小説の面白さとしては、「坂の上の雲」(司馬遼太郎著)や「三国志」(北方謙三著)などが印象に残っていますが、深みのある言葉に久しぶりに触れたと感じましたのは、「オシムの言葉」(木村元彦著)でした。
オシム氏は、ジーコ監督の後を受けサッカー日本代表の監督を引き受けたわけですが、その世界では指導力に定評があり、ジェフ市原を一気に優勝戦線に残るチームに引き上げた監督です。
過日の日本代表対インド戦の後、最初のインタビューで「どちらが勝ったんでしたっけ」と語るそのウイットや、勝ったときに不満を述べ、負けた時に褒めるそんな選手指導の姿勢というのは、本当に新鮮です。
私自身がサッカー協会の役員をしたり、サッカーそのものが好きなせいもあるかもしれませんが、その発せられる一言ひとことがサッカーだけでなく、さまざまな分野でも通用するそんな含蓄をふくんだものばかりです。
そして、そのような語録を集めたのがこの本で、自分自身の生活や生き方に照らし合わせても、ためになる内容でした。
深みのない言葉のやりとりに終始しているとしか感じない国会の論議とつい比較してしまいます。
仕事柄いろいろな所で話す機会があるわけですが、これを参考に、また想いを伝えてゆきたいと思った一冊でした。
みなさんは、最近読書していますか?