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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第269号 30年変らない官僚機構

イージス艦衝突事故から

2008年02月20日

30年余り前、参議院議員会館で議員秘書として国政を身近で見ることができましたが、それ以来、地方に戻っても、国政は大きな関心事の一つであります。

 今、イージス艦の衝突事故が起こり、官邸への連絡が遅れた不備が指摘され、国会で大臣の責任論が問われそうです。
 20年前の潜水艦なだしおの衝突事故の教訓が活かせなかったのかということが、第一義的には問題でありますが、その責任はどこにあるのでしょうか。

 わが国は議員内閣制をとっており、主務官庁のトップは国会議員がなります。しかし、その在籍期間は長くても2-3年、防衛省にいたっては昨年何回大臣が変ったでしょうか?
 そんな、腰掛とも言うべき大臣に責任を負わせ、その影で官僚の責任がそれほど問われないこの体質が問題ではないかと思うものです。

 また「国益なくして省益のみ」と揶揄される官僚機構も、省庁別に人事採用され、基本的には一生涯その省庁に拘束されるサラリーマンの立場からすれば、当たり前というか、そうならざるをえないのも現実であろうと思うものです。

 そしてその改善策として、公務員制度改革の有識者懇談会で提案された、人事の一括採用をする「内閣人事庁」構想も、結局白紙撤回されそうであります。

 つまるところ、この30年余り、国においては選挙制度は変ったけれど、抜本的なあるいは本質的な制度改正というのは殆どされずに、推移してきているというのが率直なる感想であります。

 官僚機構のありかたにメスをいれることこそ、最大の政治改革と思っていますが、果たしていつのことになるのやら、・・・あるいはもしかして、だからこそわが国は国会が大きく変っても大丈夫なんだなんて声も片方から聞こえてくるのかもしれません。