WEEKLY INSIDE STORY
第288号 歴然とした意識の差
ブラジル遠征報告02
2008年09月1日
この8月14日から27日までの間に、ブラジルチームと6戦戦うことができた。
Jリーグでも週2回のペースで試合がおこなわれていることを考えると、たった18名で、あるときには1日2試合をこなすことになったのは、かなりきついものだったと思う。
事実結果は1勝5敗。特に緒戦のサンパウロFC戦は1-15という大差であった。
ブラジルへついたすぐの時差ぼけや、疲れの中で、いたし方ないと思うが、,選手にはかなりのショックがあったのではないかと思う。
お聞きをすると、同年代のブラジル選手権で優勝しているチームだとか。
緒戦の相手としては、格が違いすぎたといえるのかもしれないが、刺激になったかなとコーチと話した次第である。
日を重ねるにつれ、より組織的に動けるようになり、4試合目のパラナエンセ戦では見事3-0で勝利をえた。
旅の途中、子供にこの旅行中、何が一番印象に残っているかと聞くと、自分がゴールをできたことと答えてくれた。
いろんな刺激の中で、サッカーそのものに真剣に取り組んでくれた姿勢をうれしく感じたものである。
同年代でも身長の差は! |
さて、この6試合を通じて、印象に残ったのは、前が空いているときにディフェンスでもブラジルチームの場合、まず自分で前に運ぼうとするのに対して、うちのチームはまずパス先を探す。そして早めに送ろうとする傾向が強いということであった。
ときあたかもオリンピックで反町ジャパンが3連敗を喫した時と重なっており、日本のパス中心の組織プレー優先の傾向を、こんなところにも重ね合わせてみたものである。
しかし、ブラジルの場合これらのチームはすべてプロチームが経営しており、午前中は学校に行き、午後はクラブで練習、かなりの数の生徒が寮生活という、まさに全員がプロを目指している。
最初から選抜されていながら、そのなかで更にふるいにかけられていくその過程の選手ばかりであるので、自己アピールがどうしても必要になってくる。
我々のチームも本県の中学校選抜チームあるが、この意識の違いが、試合に対する歴然とした差として根本的にあることを痛感せざるをえなかった。
しかし、今回の経験を通して、世界のレベルというものを膚で感じ取ることができたであろうし、より高い目標をもって、本県のサッカーのレベルを高める中心選手として活躍してくれることを願ってやまない。
事実、11年前の小学校選抜チームでブラジルに同行した選手の中からJリーガーが誕生したのも事実であるので、今回もそうなってくれないかと密かに期待もしているところである。