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WEEKLY INSIDE STORY

第303号 これが日本農業の現実か?

能登伝統野菜の実態から

2009年02月1日

この1月29日、石川県議会地域防災・活性化特別委員会で、「能登野菜と戦略作物の販売実績」について報告がありました。

 前回の委員会で私が要求した資料でありますが、ここ4年間の売り上げ金額が示されました。

 それによりますと、能登伝統野菜と銘打って長く育ててゆこうとする品目に、
中島菜・沢野ごぼう・金糸瓜・神子原くわい・小菊かぼちゃ・かもうりが列挙されており、平成20年の販売実績で、目に留まったのが、沢野ごぼう200万円、金糸瓜200万円、かもうり100万円という数字です。

 これは、1戸の農家の年間販売量ではなくて、沢野ごぼうで33戸、金糸瓜で200戸、かもうりに至っては250戸の農家の総販売額であります。

 250戸で100万円の売り上げということは、割り返すと1戸あたり4000円の年間売り上げということになります。

 年間4000円の売り上げをあげるために、どれだけのコストがかっているのかお聞きしましたが、これは次回への宿題です。

 それにしても、ビジネスといった視点でこの数字をみておりますと、田や畑の空いた時期に自家消費のためを中心に作られているといった観で、これが農業の現実かとちょっと愕然としてしまいます。

 よく考えれば、本県においても農業就業人口は現在31、000人前後で人口の3%にもなりません。農業そのものを知らない人が如何に多いかという現在の日本の姿を示してもいます。

 私は農林水産部長に、農政の実態をみていると、補助金に余りに頼りすぎて、コスト意識やビジネスとして採算を真剣に考える姿勢に欠けているのではないかと申し上げましたが、「伝統野菜」という言葉に期待する目的そのものが、すでに私と農家で、あるいは農林部との間に大きな開きがあるということを実感させられた報告でもありました。

 みなさんは、この数字からどのような感想をもたれるでしょうか?