WEEKLY INSIDE STORY
第315号 人事委員会勧告を受けて
期末手当の見直し議論から
2009年06月1日
この29日、石川県では臨時議会を開いて、公務員の期末手当等を削減する改正を行いました。
そもそもは、人事委員会が知事・議会に期末手当等の削減勧告をこの時期に行ったからであります。
人事委員会とは普通の方にとってなじみの薄い組織ですが、地方公務員法に基づいて、任命権者と職員との関係における中立期間として設置されているもので、給与等の勤務条件に関し、講ずべき措置について勧告をできることになっています。
今回、議会での公務員よりの方の発言や、共産党の方の話を聞いておりますと、比較すべき民間の手当ての調査数が少ないこと、今まで期末にしか調整してないのになぜ今回はこの時期にもといった論点、更には公務員の手当てを今削減することが、今後の春闘に及ぼす影響についてなんてどう思うかなんていう質問がでておりました。
それに対し、現在民間企業では、手当ての決定した企業数はまだ多くはないが、そこから推計すると夏のボーナスとしては13.2%という極めて大きな削減がされていること。
今調整しないと期末で極端な削減になる可能性があるので、2段階の方がいいのではないか。
という回答でした。
その議論を聞きながら、
① 地方公務員法第14条で、「地方公共団体は、地方公務員法に基づいて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が、社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない」とうたわれていますように、「情勢適応の原則」というものからすれば、給与勧告は少なくとも年1回ということになっており、今回のように大きな変動があったときは2回でも問題ないのではないかと。
② 地方公務員法第24条に書かれております「職員の給与は、生計費、国、及び他の地方公共団体の職員、民間企業従事者の給与、その他の事情を考慮して定めなければならない」という「均衡の原則」からすれば、国がこの時期に勧告をしていることに追従しても問題ないでしょうし、そもそも人事委員会に今後の春闘にどういう影響をもたらすかなんていうことは、人事委員会に聞くべき問題ではなく、勧告を受けた行政側に質すべき問題ではないかと。
このように感じたものです。
今回の議論を通じて、あらためて人事委員会のあり方、あるいはその期待されているものを勉強させられたわけですが、議会も同時に手当ての削減を決定いたしました。
個人的には、基準となる議員歳費も減ることはあっても、長くあがったこともありませんので、厳しいなというのが本音です。
しかし、市民と痛みを共有する中から、世情を実感するというのは、議会人にとって大事な一面であることは、間違いない事実であろうと思っています。