WEEKLY INSIDE STORY
第317号 タクシー事業 緩和から規制へ
揺れ戻しが政治か?
2009年06月20日
小泉政権時代に、規制緩和ということが声高に叫ばれ、タクシーの参入・増車が認可制から、届出制にかわりました。
以来、過当競争による運転手の方の給与低下などを招き、このコラムの302号でも触れましたが、この19日参議院で再びタクシーの参入制限をする特別措置法案が通過するとの報道がありました。
緩和が2002年ですから、7年で180度方針転換ということになるでしょうか。
この間、規制緩和によって、運転手業務が失業者の受け皿になったというプラス評価を見る向きもありますが、とにかく、国会はこの問題で2度審議を費やし、もとに戻ったのは事実でありましょう。
このような最近の動きを見ておりますと、
1.政治のレベル低下といったら言い過ぎかもしれませんが、最初からもっと慎重に判断できなかったのか?
2.政治はつまるところバランスしかなくて、こんなことの繰り返しは仕方ないと見るべきなのか。
3.小泉政権から今まで様々な点で揺れ戻しがあるが、自民党としての一貫性をどう見るべきなのか。これでは、野党を寄り合い所帯で政策の整合性がとれないなんて批判できないのではないか。
こんな感想をもたざるをえないのであります。
政党に対する政策の一貫性というものに期待できないとすれば、つまるところ個個人の能力に頼らざるをえません。
そういう意味では、「臓器移植法案」でのクロスボーディングみたいに、政党で採決を縛らない方が、我々にとって政治がもっと面白いという答もあるのではないかと、思ってしまいます。
政党中心の選挙制度にかわって久しいわけですが、皆さんにとって今の政党はどう映るんでしょうかね。