WEEKLY INSIDE STORY
第329号 世界自然遺産を訪れて—その1
中国の変貌
2009年10月20日
今回、囲碁の国際交流も兼ねて、中国湖南省張家界を訪れてきました。
張家界は、中国の数ある中で、初めて世界自然遺産に登録された地域であります。
春に、オーストラリアの自然遺産を視察できたことから、同じ自然遺産でありながら、違う地域を見ることは、比較対象する意味でも、大変興味のあることろでした。
事実、その違いから、文化やものの考え方の相違にまで思いが至った視察であると同時に、4日間で20キロ以上歩きましたので、健康にもいい旅でもありました。
張家界は、水墨画の原風景ということが言われており、同様にいわれています桂林のイメージを描いていたのですが、寧ろグランドキャニオン中国版といったほうが、近いのかもしれません。
同じホテルに4日間も滞在してあちこち廻りましたが、そのスケールの大きさから成程とうならせるものがあります。
しかし、2日間共通の入場券は245元(約3700円)、最後の日に上った7.4キロの天門山ロープウエーも258元(約3900円)と、物価からしても大変高いものであります。
また、景勝地のありとあらゆるところにお土産店と、写真に一緒に写るだけで10元を要求する少数民族の衣装を着た女の子の多さに、世界遺産を商魂たくましく利用しようとする姿勢を垣間見た思いでした。
しかし、10年前にはこの地域の平均月収が500元(約7500円)だったそうですが、1992年の張家界世界自然遺産登録から、一気に観光産業が主力産業にのし上がり、農家であった方々が観光業に転出し、平均月収も3倍以上になったとか。
従来以上に、観光を産業として捉える重要性を再認識した次第です。
本県も、そういう意味では観光資源に恵まれており、更に活かす工夫がこれから一層求められるものと思っています。
ただ、トイレがきれいになったとはいえ、依然観光地では臭いの問題を解消できていないところに、日本との差というものも感じさせていただきました。
このあたりが、まだまだ課題のある中国ということがいえるのではないでしょうか。