WEEKLY INSIDE STORY
第330号 能登演劇堂ロングラン公演から
文化はお金のかかるもの?
2009年11月1日
この20日、21日と石川県議会総務企画委員会の視察で能登へ入りました。
その過程で、今仲代達矢氏が主宰する無名塾のロングラン公演「マクベス」が行われている能登演劇堂も見てまいりました。
私にとりましては二度目の視察であり、今回の「マクベス」がキャンセル待ちが生じているほどの人気であることから、実態を見るいい機会でありました。
成程、開演1時間以上前から、ホールもにぎわっており、花束を抱えた方や団体で見に来ている生徒たち、更にはこの公演にあやかって作られた限定ワイン・焼酎の販売など、活気あふれるものでありました。
事務所で今回の公演のいきさつや実情をお聞きすると、能登限定での50日間のロングランというのは、暴挙に近いリスクがあったとのこと。
しかし、「演劇文化でにぎわう街づくり」をスローガンに、町を挙げて支援体制を敷くという想いに応えて、決定したとのことでした。
当初、役場の職員も含めてかなりの負担をかけてチケットを販売したそうですが、結果は舞台の奥が外に開く能登演劇堂の素晴らしさも受け、仲代さんのテレビ出演などのPRもあいまって、一気にブレークしたとのことでした。
50日間の公演で集客目標32,000人に対し、発券数は33,299枚、会場が680名余りで満員ということを考えますと、将にこれ以上ないという大成功ということがいえるのではないでしょうか。
ところが、その予算を見ておりますと、石川県、七尾市など公的助成金が総収入の23%、5,450万円も入っているではないですか。
入場料も大人A席7,500円ですから、決して安いわけでもありません。
だとすると、これだけの成績にもかかわらず採算がとれないということは、「文化はお金がかかるもの」ということを、証明するような結果ということになってしまいます。
演劇は歌と違ってホールの大きさをやみくもに大きくできません。入場料も相場というものがあるのでしょう。
今申し上げた「文化とはこういうもんだ」ということで、結論付けてそれでいいのか難しいもんだと感じて帰ってまいりました。
皆さんはいかがお感じでしょうか。