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日本政治の実像と虚像

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WEEKLY INSIDE STORY

第356号 参議院選挙からーその3

新たな試行錯誤「ねじれ国会」

2010年07月20日

参議院選挙が終わり、議席では与党が過半数割れをいたしました。

 もともと、参議院の1人区は小選挙区制度と一緒ですから、ちょっとした票の動きでオセロゲームのように結果が変わります。

 特に、小泉劇場といわれた2005年衆議院選挙で自民党が圧勝、政権交代選挙といわれた2009年衆議院選挙では民主党圧勝という2度振り子が大きく振れた後の選挙ですから、国民のバランス感覚からして、再度民主党に風が吹くといった期待はありませんでした。
 事実、結果はそうなったようです。

 しかし、比例票を見れば決して自民党が復調したというわけではなく、民主党が依然として第1党であることからすれば、この期待を裏切らないで努力することが、民主党が今後も続いていける大きな鍵であるといっても過言ではありません。

 しかし、小泉政権のときのように衆議院で3分の2の議席を持って衆議院で再可決するといった芸当もできない中での、衆参の「ねじれ国会」がこれから待ち受けています。

 まさに未体験ゾーンへの突入といった感じで、政権与党だけではなく、野党にもその責任が問われてくるでしょう。

 ただ、小選挙区制度を導入して以来、妥協がしにくく誹謗中傷が横行する特質はなくなっておりませんので、法案の成否毎に相手が悪いといった話ばかりが、マスコミを通じて流れてくる可能性が多々あると推定されます。

 しかし、それでは結局国民だけが置き去りにされることになりますので、「政局よりも政策」といった視点で与野党が合意形成に努力する—そんな国会を期待したいと思っております。

 選挙前の世論調査で「民主党に過半数を取らさない」といった意見が多かったようですが、みんさんは「ねじれ国会」の課題というものを、はたして前もって十分考えておられたでありましょうか。

 結果そうなりましたが、国民にその成果が活きてくるのか、今後の成り行きが注目されます。