WEEKLY INSIDE STORY
第385号 志賀原子力発電所視察から
福島原発との違い
2011年05月10日
本日、我が会派で志賀原子力発電所へ視察にいってまいりました。
「百聞は一見に如かず」の諺どおり、同じ説明を受けても、自分の目で確かめるというのは、やはり意義あることであります。
視察を提案した者として、大変参考になったというのが実感でありました。
現在1号機2号機とも、定期点検等で止まっておりますが、福島原発の事故を契機にどういう対策をとられたのか、また更なる対策として今後どういうものが考えられているのか、このあたりが視察のポイントでした。
第一に、原子炉を冷やすために必要な電源の、津波による喪失対策として、電源車や発電機の追加配備などがされたこと。
第二に、原子炉や使用済燃料プールへの注水手段としての、消防車や水中ポンプの配備がされたこと。
第三には、できるだけ早くあらたな防潮堤を4メートル構築する予定など、いくつもの改善点をお聞きしてまいりました。
それぞれに、日本海側での地震対策、津波対策として、それなりに考えておらることを感じてまいりましたが、それ以上に、近傍に有効貯水量36万?の大坪川ダムを抱えており、非常時も含めて大容量水源を常時確保していること。
第二に、防潮堤を新たに設置する予定のタービン建屋の敷地高が既に標高11メートルの高さであり、心臓部ともいえる原子炉建屋はそこから更に10メートル高いところに立地しているという志賀原発の自然条件のよさが、極めて印象的でありました。
最終的には、ハードと人為的ミスをなくすというソフトがあいまって安全が確保されるということでありましょうし、多くの県民がそのあたりを十分理解されることが、再開に向けての要諦ということになろうかと感じて帰ってまいりました。
将来的にエネルギー戦略の見直しは当然でありましょうが、現に存在する原発とどう関わってゆくかは、功罪相半ばするものでありますし、これからもしっかりと議論してゆかなくてはいけない課題であろうと思っています。