WEEKLY INSIDE STORY
第393号 政権交代はしたけれど
期待したのは変化か継続か?
2011年08月1日
今般、明年度予算に関する国への県としての重点要望事項が確定し、その説明を受けました。
その中には、自民党麻生政権時代に景気対策としてうたれた基金事業の継続というものがいくつもありました。
これらは、基金として積み立て3年間で取り崩して事業を行うというもので、総じて使途が広く、なおかつ地方負担がないということで、地方にとっては極めて使い勝手のよい予算でありました。それが今年度で3年目を迎え、新たな財源措置がなければ明年からなくなるのです。
具体的には、海岸漂着物の回収・処理費に対する財源措置であったり、民間保育所への支援助成であったり、森林整備を加速化するための間伐等への助成であったりするわけですが、中には、介護職員の賃金を1人当たり月額平均15,000円引き上げるための交付金であったり、妊婦の健康診断の公費助成を5回から14回に拡充するための交付金等も含まれています。
従って、今回の継続要望ということになったわけでありますが、そもそも3年しか継続しないつもりの予算であったのかということを考えますと、上記の介護職員の賃金引上げや妊婦検診の回数拡充例などは恒久的な予算付けが本来あるべき姿ではないでしょうか。
しかし、そんな予算を3年で切れる基金事業として創設したばかりに、そのつけも新政権が背負わなくてはいけない、そして継続が図られなければ政治の後退みたいにとられるとすると、極めて残念なことと言わざるをえません。
県内市町役場を回っても従来の補助金メニューの継続を多々いわれるわけですが、政権交代で変化を期待した心理と、このように個別には継続を要求する心理が相まっているのが現実です。
こういう現実をみるにつけ、政治の現状を冷静にみる必要性というものを強く感じるわけですが、みなさんの政権交代に対する心理はいかがでありましょうか。