WEEKLY INSIDE STORY
第407号 国連生物多様性の10年
世界的事業が本県からスタート
2011年12月20日
この17日から3日間、石川県において、「国連生物多様性の10年」のキックオフ・イベントが開催されました。
昨年、いわゆるCOP10といわれる生物多様性条約第10回締約国会議が名古屋で開かれましたが、その具現化を目指し、国連は今年から2020年までを取り組み強化の10年と定めました。
昨年、COP10のクロージング・イベント(第372号参照)が本県で開催されたのに続き、その嚆矢を飾るイベントが本県から始まったのです。
世界的な事業が、この地域から始められた背景としては、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオぺレーティング・ユニットが本県にあること、里山里海の保全活動に積極的な実績あること、そしてこの6月に佐渡とともに奥能登が世界農業遺産に登録されたことなどが、挙げられると思っています。
国連の潘基文事務総長のメッセージや、アメフド生物多様性条約事務局長の挨拶など、30カ国以上からの参加者とともに、イベントに参加された方は、生物多様性の保全の意義というものを再確認するとともに、これらのイベントがいかに世界ブランドのものかということを実感できたのではないかと思っています。
しかし、現場を見ておられない方は、耳慣れない「生物多様性」という言葉とともに、これらのイベントがどの程度のものなのかということは、ご理解できないのではと思います。
イベント開催中に、「石川宣言」というものが採択されましたが、これを契機に、「いしかわ」というものが、生物多様性に関する事業の中で、世界で通用する言葉になることも、ないとはいいきれません。
環境問題は息の長い、目立ちにくい分野ではありますが、今回の事業が本県を世界に発信する素晴らしい機会であったことは、お互い共有してゆきたいものと思っています。