WEEKLY INSIDE STORY
第437号 自然エネルギー100%は絵空事か?
九州大学洋上浮体式複合発電ファーム視察から
2012年10月20日
今週委員会視察で九州を訪れ、九州大学応用力学研究所大屋教授から、現在行われている洋上発電システムについて、お話を聞く機会をえました。
特に印象に残ったのは、「総じて我が国では原子力への代替として自然エネルギーに限界があるということをマスコミを通じて我々は信じさせられているが、果たしてそうだろうか。要は決意というか意欲の問題である」というコメントでありました。
同時に、実験をされている「レンズ風車」が、一般の風力の倍以上の発電量を可能にし、大量生産でコスト縮減が図られれば、充分期待される自然エネルギーになりうるという見解でありました。
なおかつ、沿岸部より海上では平均風速が1m/Sほど高く、風レンズとソーラーと、更には、レンズ水車も含め、複合的に海上に設置するエネルギーファームであれば、採算も含めて画期的な自然エネルギー資源になるとのことでした。
その上、風車を付加すると、風車の騒音も結果として軽減されるということで、技術の進歩を目の当たりにする想いでした。
欧州での自然エネルギーへの傾斜から、家庭の電気料金が大きく跳ね上がったという報道が伝わってきていますが、やはり技術の進歩がそれすら解決してくれるんではないかとの想いにもかられる視察でありました。
現在、博多湾で太陽光パネルと風力発電を兼ね備えた世界初の海上浮体式複合発電ファームを設置して実験をおこなっているそうですが、本県も長い海岸線を抱えており、この適地の一つになるのではないかと思います。
本県にも誘致できたらと、ちょっとうらやましくも感じた次第です。