WEEKLY INSIDE STORY
第465号 日本海地震・津波調査プロジェクト
8ヵ年もの計画
2013年08月1日
平成23年度の「津波対策の推進に関する法律」の制定を受け、今まで地震の調査観測が殆どされていない、北陸沖や北海道沖、日本海西部において地殻構造調査等が行われることになりました。
その期間は、本年度から平成32年度までの8年間という長期で、4年目ぐらいには本格的なレビューをおこない見直しもあるとのことですが、改めてその長さに驚くと共に、現実にはそれ位かかるということを認めざるをえませんでした。
具体的には、調査を通じて、震源断層モデルを構築し、津波髙予想計算や強振動予測計算を行うとされております。
その必要性の前提として、津波による被害予測は、都道府県・市町村が実施するものとされていますが、地域ごとに波源モデルが異なっていたり計算方法の違いにより、異なる基準で求められてきているという実態があるということが指摘されました。
といたしますと、これまでの本県での津波浸水想定区域図などの妥当性そのものが、間違いないのかということが、これから検証されるということになります。
少なくとも当分は現在想定されています津波想定高を根拠に、被害等を考えてゆかなくてはいけないのかもしれませんが、被害想定の前提そのものが、どういうデータを下に算定されてきたのか素朴な疑問も沸きます。
今日、地震にいたしましても確率論で述べられるだけで、何時なんどきまでは、まだ予測ができるまでの科学技術が発達しているわけではありません。
だといたしますと、100%の防災というのはありえないわけで、その時々のできる範囲での減災努力しか考えられないんだということを、改めて自覚しなければならないのかもしれません。