WEEKLY INSIDE STORY
第476号 総合防災訓練から
前提は理解されているか?
2013年11月20日
この2日に、県内一円で、石川県防災総合訓練が行われ、短い時間ではありましたが主会場を視察してまいりました。
今回の訓練想定は、午前9時頃マグニチュード7.8の地震が発生し、津波も起こった中で堤防決壊なども心配されるというものでした。
まず警報の発令と避難指示、ならびに関係機関への応援要請という通報訓練から始まって、地域の皆さんの避難訓練、医療救護活動訓練など、それぞれの立場での訓練を行うというものでした。
主会場へ地域住民の皆さんがバスで移動、初期消火訓練などに参加しておられましたが、会場内の雰囲気はおっとりしたもので、マスコミだけが走り回っているといった風情です。
更に感じましたのは、自衛隊から炊き出し用の車両がきて、数百人分のおにぎりを作っておられましたが、これが訓練初期から待機していることです。
本来、地震発生から自衛隊への応援依頼があって始めて出動していただけるわけですから、当初から会場におられることは、現実にはありえないことです。
この姿を見て思い出したのが、かっての原子力防災訓練で、隣県からの職員が最初から県庁におられることでした。
これも、現実に志賀原発有事の際には、放射能を避けてこられますから、隣県からの職員は対策本部に相当遅れてこざるをえないのが現実です。
ここに、訓練の前提と現実との大きな違いがあるわけですが、このことを意識しなければ、まさに絵に描いた餅ということになります。
このあたりが、参加者に十分理解されているのかということが、極めて大事であると実感するものですが、訓練のあり方、より高い効果があるよう工夫が期待されると思いつつ、現場をあとにいたしました。