WEEKLY INSIDE STORY
第498号 集団的自衛権の閣議決定をめぐって
時の政府を信用できるか?
2014年07月1日
この7月1日、集団的自衛権を認める閣議決定がなされました。
この間、報道等でグレーゾーンの問題、憲法との兼ね合い、国際情勢の変化など、多様な観点から賛成・反対両方の意見が報道等を通じてなされてきました。
その前提としては、我が国の第9条に象徴される平和憲法というものが、今日までどういう役割を果たしてきたのかということが問われる訳ですが、これがまた見解が割れるところであります。
世界でなおやまない紛争の中、戦争に巻き込まれなかった抑止力として機能してきたという見方。
方や、お金は出すけれども人を出さないと国際的に批判されてきた国際協調活動での限界に対する我が国の在り方への批判。
など、多くの国民の皆様の中にも両方の意識があるのが事実ではないでしょうか?
しかし、昨今の周辺諸国での領土問題などを見ましたときに、日米安全保障条約の傘の下で大丈夫と見るかについては、一抹の不安を感じる方が多いと思われます。
そのことが、今回の動きにつながったと思われますが、憲法を改正して対応すべきという建前論と、そもそも集団的であれ個別的であれ自衛権は保持しており、閣議決定で問題ないという、解決論においても意見が割れております。
つまるところ、最後には時の内閣を信用できるかということに行きつくような気がいたしますが、政権が変わった時にこの解釈が普遍なのか疑問であり、玉虫色のところは否定できません。
どちらにしても、今回の我が国の安全保障に関する大きな変更の結果は、すべて国民に跳ね返ってくることだけは忘れてはならないと思っています。