WEEKLY INSIDE STORY
第532号 参議院改革に想う
本質は分権の放置では?
2015年07月20日
今、国会では参議院の1票の格差があまりにあり過ぎているということで、参議院の選挙区区割り問題が提起されております。
その中で、県の合区ということが問題視され、県民の代表であるべきものがなくなってしまうとか、一層地方の格差が広まってしまうから反対との声があります。
そもそも、憲法第14条で「法の下での平等」ということが規定されており、この改正がない限り、このような問題は避けては通れません。
むしろ、今日までの戦後一貫して行ってきた中央主権体制や補助金行政を放置してきたことに根本的な原因があると思っています。
この集権的な体制は、政治の東京一極集中を招くだけでなく、経済も文化もそれに付随して東京に吸い寄せられるという結果をもたらしているのではないでしょうか。
ようやく地方創生という言葉がでてきましたが、一例では、今となって東京で高齢者の受け皿が少ないので地方へ移住してはとか、ある面極めて都合のいい発想すら提案されています。
地方分権の考え方は、内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会で数十年前からでており、それが一向に進んでいないことが、残念でなりません。
このことにきちっと対応されてくれば、人口の格差もこれほどにはなっていないでしょうし、参議院の合区の話も起こらなかったはずです。
つまるところ、国会の課題の放置が自らの結果を招いたに過ぎないともいえます。
参議院が国民の代表であることは間違いありませんが、県の代表であるということは、たぶんどこにも規定はないのではないでしょうか。
参議院はどうあるべきか、衆議院とどう関連すべきか、など今一度冷静に考える必要性があると思います。
そうでなければ、泥縄式の制度改正で終わってしまうのではと心配するものです。