WEEKLY INSIDE STORY
第560号 個性を主張できる街に
工芸文化の拠点は金沢に
2016年05月1日
先週、兼六園周辺ゾーンに、石川県文化財保存修復工房が移転リニューアルし、お披露目がありました。
地方自治体として唯一持っていたこの修復工房が、今般拡張されるだけでなく、見学スペースまでつくられました。
平成9年からスタートし、本県の文化財のみならず他県からの依頼も受ける実績を擁しています。
片や、地方創生の一環として、東京国立近代美術館の別館であります工芸館の作品や機能が、この金沢兼六園周辺を候補地として移転することも確定しています。
更には、金沢市はユネスコの創造都市ネットワークでクラフト部門において指定をされています。
まさに、金沢市は全国の工芸における第一人者としての都市の風格を整えつつあるといっても過言ではないのではないでしょうか。
日本伝統工芸展での入選者数が、対人口比昨年でも全国1位でありますから、ソフトの面でも充分主張できるところに、このようなハード施設もできてきたわけです。
これから、日本で工芸を見たいとすれば金沢に、文化財を修復したければ金沢にといったそんな評価が定着してくれればと期待しています。
そして、政治のみならず経済も文化も東京一極集中という我が国の姿を、より分散型国家に変えていく第一歩となってくれればとも念願している次第です。
ぜひ、一度修復工房に足を運んでいただけたらと思います。
ちなみに、この工房は、陸軍第九師団の師団長官舎に増設をしたもので、建物も一見の価値があるのではないでしょうか。