WEEKLY INSIDE STORY
第573号 半端じゃないスケール
青森県三内丸山遺跡
2016年09月10日
委員会視察で特別史跡「三内丸山遺跡」を訪れました。
江戸時代から知られていた遺跡だそうですが、平成4年から始まった発掘調査で、約5500年から4000年前の大規模な集落跡が発見されたのです。
そもそもはスポーツ施設用地として期待されていたところだそうですが、この発見により史跡としての活用に転じたのです。
訪問当日も発掘現場を見せていただきましたが、でるわでるわといった感じで、かっての土器が際限なくあるのです。
従ってすべてを取り出すのではなく、調査してそのまま埋め戻すことも多々あるそうで、私の眼前に4500年前の土器がなにげなく露出しているではありませんか。
重要文化財指定1958点や、縄文時遊館と銘打った総合展示館を併設するなど、その遺跡としてのスケールにただただ驚くばかりであります。
また掘立柱建物は、用途は不明ですが、史実に忠実にと大径木の栗の木をロシアからわざわざ取り寄せ作成したとのこと。
その費用もばかになりませんが、この遺跡のスケールからして惜しみなく資金を投入されたのでありましょう。
その県としての思い入れは想像にかたくありませんが、我々がお邪魔した時には参観者もまばらで、経常経費も大変だろうと思ったものです。
北海道も含め周辺の遺跡群を合わせて世界遺産登録運動をしているそうですが、なんとか成功してほしいものです。
理念はいいのですが、対費用ということを考えると、教育的見地や歴史的見地にどれだけの理解をえれるかが大事であると感じたものです。