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WEEKLY INSIDE STORY

第578号 複式ながら新しい試み

珠洲市立大谷小中学校視察から

2016年11月1日

 先週、委員会視察で石川県の北端珠洲市に、本年度開設された珠洲市立大谷小中学校を訪れました。

 名前の通り、小中一貫校でありますが、その校区は東西18キロメートル南北5キロメートルという広範囲ながら、わずか人口約1200人、世帯数約500件というエリアであります。

 かっては、この区域に多く小中学校が存在していたにもかかわらず、人口減少と少子化の影響で、学校が統廃合され、ついには小中一貫校1校になってしまったのです。

 現在、児童生徒数は全学年合わせて36名、一人もいない学年もあります。

 従って基本的には複式学級で運営されています。学年ごとに同じ部屋ながら両側の黒板に向かって授業を受け、一人の先生がこれをこなすという形になっています。

 大変だなあと素朴に思いますが、少人数の関係で一人一人にきめ細かく対応でき、学力は極めて高いのです。

 同時に、義務教育ながら6・3制ではなく、4・3・2制という新しい試みをしています。当然中学校入学式なんてものはありません。

 片方で、早期英語教育であったり、いわゆる小中学校の先生が同じ教官室で情報交換を絶えず行っているなど、その一貫校としてのメリットを引き出した授業が行われているのです。

 本県の学力は全国トップレベルを維持していますが、そんなことにも貢献している一学校でしょう。

 予算の関係上、少しづつですが少人数学級の方向に、我が国の教育は進みつつありますが、複式学級であろうとも少人数学級のよさを体現している、あるいはそれを逆手にとって頑張っている現場を見せていただいた想いでありました。

 こんな学校で学べる児童生徒は、やっぱり幸せではないでしょうか。