WEEKLY INSIDE STORY
第630号 高コスト構造がもたらすもの
香港視察からーその3
2018年04月10日
先にも述べたように、香港は人口密度が高いこと、中国にはない自由度がある程度担保されていることなどから、経済活動が盛んでありますが、その大きなネックとなっているのが、人件費のみならず不動産価格の高騰です。
賃料一つとっても、都心地区の最上位オフィスの賃料水準が東京の1.82倍、高級マンションでも東京の1.69倍もします。
お聞きをすると、契約更新時に賃料を大きく引き上げられて、撤収を余儀なくされた企業が多いとのこと。
事実、最近は日系の銀行もシンガポールに拠点を移している事例が多いそうです。
香港では不動産を自ら持っているものは強く、テナントとして成功するには、不動産所有者と提携して事業化を行うなどしなければ、極めて難しいとのことでした。
このことを考えますと、本県からの企業進出が容易ではないことが推察されますし、香港日本人商工会議所でも本県出身企業の登録は残念ながらないとのことでした。
社用での香港への出張需要がまず見つけにくいというのが、本当のところではないでしょうか。