WEEKLY INSIDE STORY
第648号 史実に忠実は不可能
鼠多門橋着工
2018年10月10日
この8日に、現在の尾山神社と、鼠多門の間にかかる、鼠多門橋の起工式がありました。
この橋は、木橋で17世紀中頃にはすでに存在しており、明治10年に老朽化により、撤去されたものですが、約140年ぶりに再現されることになりました。
本県の金沢城公園は、「史実に忠実に」というのが大きなコンセプトであり、「100年後の国宝を目指そう」といった目標があります。
ところが、この橋はかっては堀の上にあり、高さもそう必要はなかったのですが、現在は市道の上をまたぐことになり、安全上も鋼材を使用し、高さも従来より高い位置となりました。
鋼材を木材で覆うことによって、城郭景観とマッチするよう工夫される予定ですが、残念ながら史実に忠実というコンセプトからは外れざるをえません。
しかし、この橋の完成により、旧金谷出丸から玉泉院丸庭園、金沢城、兼六園へと加賀藩ゆかりの歴史的回遊ルートが再現されることになり、本県の魅力向上に更に貢献されるものと思います。
東京オリンピックまでの完成を目指しておりますが、無事竣工されることを願ってやみません。
完成の暁には、是非この回遊ルートを散策してみたいものです。