WEEKLY INSIDE STORY
第719号 広い視点で見ると
新型コロナウイルスについて
2020年10月1日
過日、ウイルス感染症専門の方から、今の新型コロナウイルスについての講演をお聞きする機会をえ、報道等の断片的な話ではなく、順序よく説明を受け、極めて印象的でありました。
第一に、50歳未満で基礎疾患がなければ、季節性インフルエンザよりも致死率が少ないということで、まだまだ未知数の部分が多いウイルスでありますが、これだけをことさら心配しすぎるのは、医療全体の中ではバランスを欠く可能性があるということ。
第二には、感染対策としてのマスクは有効であり、新型コロナウイルスが不顕性感染者の方も人にうつす可能性があることから等しくマスク着用が大事であること。
結果、手洗い等の励行とあいまって、手足口病、咽頭結膜熱や感染性胃腸炎など多くの感染症の流行が今年は見られないという効用もあるということでした。
第三に、新型コロナウイルスはこうもりが起源といわれておりますが、生きた細胞でしか増えないということからすれば、仮にこうもりがいなくなれば、別の宿主を探さなくてはいけなくなる。
まさに環境問題としてもこのウイルスを考えなくてはいけないということでした。
コロナコロナで話題が終始していますが、医療全体の中でより広い視点から見てゆかなくてはいけないという示唆にとんだご講演でありました。