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日本政治の実像と虚像

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第751号 専決処分とは

信頼と、スピード感

2021年08月20日

 行政の専門用語に、「専決処分」という言葉があります。

 「専決処分」とは、本来であれば議会の承認をえて執行すべき事案を、地方自治法の規定に基づいて、自治体の長が、議会の承認前に自ら処理することをいいます。

 本県おいても、昨今数が多く、つい最近も8月2日に81億円余、この18日にも39億円余の専決処分がなされました。

 100億円を超える予算を、議会は事後承認ということになりますが、中身は新型コロナ対策での飲食店等への協力金や、国の月次支援金にオンする県の支援金などです。

 疲弊した飲食店等へ一日も早く支援金を給付しようとすれば、議会の開催を待ってということよりも、専決処分でスピード感をもって対応していただくほうが、よいという判断であります。

 その度ごとに臨時議会を開いてもいいわけですが、コロナ対策についての詳細は、各委員会で議論しておりますし、これらの追加補正予算の中身が極めて固定的であること、9月議会がまもなく開催予定であることなどから、専決処分をよしとしているわけです。

 勿論、この前提としては執行部との信頼関係がなくては専決処分は成り立たないわけで、かって鹿児島県阿久根市長が、議会との対立から19回専決処分を繰り返したという事実を記憶していられる方もおいでるのではと思いますが、こうなっては専決処分の本来の目的からはずれているといわざるをえません。

 ただ、今回の専決処分に係る財源のほとんどが、国からの臨時交付金でありますが、100%ではありません。

 不足分は、本県の財政調整基金でまかなわざるを得ないわけですが、結果100億円余あったものが、26億円余りとなってしまいました。

 コロナの収束が見えない中、ここにも心配の種がありますが、全国の地方自治体共通の課題でもあります。